写真の裏側にある、私たちの「ちょっと誇らしい秘密」―― #そらまめタグ で読み解く、泥んこの服と子どもの「百の宇宙」
- 7月3日
- 読了時間: 5分
更新日:7月8日
保護者の皆さん、いつもそらまめ幼児園・保育園をあたたかく支えていただき、本当にありがとうございます。
前回のブログで、「夕食後にお子さんを抱っこして、コドモンを見ながら『今日こんなことしたの?』と楽しくおしゃべりする『家族のアルバム』にしてほしい」とお伝えしました。
実はあのブログを書いたあと、現場の先生からハッとさせられる指摘をもらったのです。
「園長、私たちが毎日送っている写真や記録って、単に『可愛い瞬間を集めたアルバム』って意味だけじゃないですよ。そもそも保育ドキュメンテーションって写真の記録ではなく、子ども達の記録です。あの文章じゃ、保育ドキュメンテーションが何かという部分が半分くらいしか伝わっていません。」と。
完全に私の勉強不足でした。 先生にそう言われて、私は改めて「保育ドキュメンテーション」について勉強し直し、当園の発信のやり方を見つめ直しました。
そこで気付いた事は、「子どもたちのありのままの姿を記録するだけではなく、保育のプロとしての目線から見えた『今、この子がこんな風に成長していますよ』という確かな証拠を、皆さまと共有するためにこの記録(ドキュメンテーション)があるんだ」という事でした。
先生たちは、子どもたちの「あ、今ひらめいたな!」「心が動いたな!」という、成長の瞬間を狙ってシャッターを切っています。大人の「こっち向いて~」に合わせたおすまし笑顔だけでなく、何事かを企んでいるような真剣な顔や、泥だらけでお友達と夢中になって何かを試している姿こそ、先生たちが皆さまに一番届けたいリアルな姿でした。
私たちがなんとなく感覚だけで子どもを見ているのではなく、じつは「長い歴史の中で積み上げられてきた、たくさんの保育の知恵や理論」をもとに、プロとしての確かな目線を持って毎日子どもたちと関わっていること。まずはその裏舞台を、皆さまに共有したかったのです。
そこで、それなら保護者の皆さまにも「私たちのこの『プロの保育士の目線』にちょっとだけ付き合って、一緒にそらまめの保育をおもしろがって付き合ってくれるかなー🎤?」という、私からのちょっとしたご提案です。
小難しい理論を勉強してほしい……というとハードルが高いですが、写真と一緒にその意味がパッと一目でわかるように、キャプションへ新しく「#そらまめタグ」を付ける事にしました!
そらまめの保育の確かな土台になっている、歴史上の「6人の保育の先人(オタク)たち」の知恵を乗せた、6つのタグの秘密がこちらです。まずはここから、私たちと一緒に「プロの覗き窓」を楽しんでみてください。

💡 6つの「#そらまめタグ」の秘密と、よくある「その瞬間」の例
① #手の知性 ✋(マリア・モンテッソーリ)指先の感覚をフルに使って何かに猛烈に集中している姿は、まさに脳が育っているサイン。手を使って世界を理解しようとする、子どもの確かな知性の瞬間です。
たとえばこんな時: 小さな大豆を指先でつまんで繰り返し別の器にそーっと移し替えている時や、小さな虫を潰さないようにそっとつまもうと、全神経を指先に集中させている瞬間です。
② #あそびの真髄🧠 (倉橋惣三) 大人が見ると「何もしていない時間」に見えても、子どもの心は深く学んでいます。
たとえばこんな時: 園庭に落ちている1枚の葉っぱを、じーっと5分間も見つめて固まっている時です。子どもは今、頭の中で「これなんだろう?」と大冒険をしています。
③ #百の言葉 (ローリス・マラグッツィ) 子どもは言葉だけでなく、粘土、絵の具、木の実など、100通りの方法で自分を表現しています。
たとえばこんな時: 「綺麗なお城」を作るのではなく、粘土をぐちゃぐちゃにこねて自分の「怪獣」を作ったり、木の実を一列に並べて自分だけの世界を表現して熱弁している瞬間です。
④ #失敗の権利 🤯(セレスタン・フレネ) 積み木が崩れたり、水がこぼれたりする「失敗」こそが、自分で工夫して立ち上がる強い心を育てます。
たとえばこんな時: 高く積んだ積み木がガシャーンと崩れてしまった瞬間です。大人が先回りして手を出さず見守ることで、子どもは「じゃあ次はこうしよう!」と自分で考え始めます。
⑤ #あそびの発明 🍳(ジョン・デューイ) 決まったおもちゃで遊ぶだけでなく、自然の中にあるもので「こうしたらどうなるかな?」と新しい遊びを自分で作り出します。
たとえばこんな時: 園庭の泥水と砂を混ぜて「どろどろチョコレート」を作り、「水を足したらもっとリアルになるかも!」と、自分だけの秘密のレシピ(仮説)を試して実験している瞬間です。
⑥ #ひろがる境界 🍃(レフ・ヴィゴツキー) お友達のマネをしたり、筑前町の豊かな自然とふれあったりする中で、思いやりや社会性がグンと広がっていきます。
たとえばこんな時: お友達がやっている楽しそうな泥遊びをじっと見ていて、そっと真似して混ざってみたり、近所で見つけたカエルをみんなで覗き込んで「お家を作ってあげよう」と作戦会議を開いている瞬間です。

何度も引っ張り方を変えてみるけどなかなか動きません。 #失敗の権利
今後ドキュメンテーションを送らせていただく際には、これらのタグをつけて送らせていただきます。
ドキュメンテーションをご覧になるときは、ぜひ「何が完成したか(結果)」だけでなく、写真の奥にある「我が子が今、どれほど熱く人生を面白がり、世界を発明しているか(プロセス)」を、私たちの目線と一緒に覗き込んでみてください。
これからの日々の記録は今まで通りにしながらも、1枚だけは「タグと、起きた事実だけ」をシンプルに添えてお届けします。

今日、お子様がお家に持って帰ってきた、「泥だらけの服」や「思い出」はお子様が自分の知性をフル回転させて戦ってきた、世界に一つだけの「宝物」です。
我が子の内側で起きている探求のドラマを、夜の抱っこの時間に、ぜひご家族みんなで楽しく語り合う材料にしていただければ幸いです。


